「高専を受けよう」と決めた。
でも中3の秋って、何をすればいいんだろう。
そう思っている人は多いと思います。
高専受験は、とにかく情報が少ないです。
まわりに経験者がいない。
学校や塾の先生も、高専のことはよく知らない。
私は高専の機械工学科を卒業して、
いまは大企業の工場で10年以上働いています。
この記事では、私の経験ももとに、
中3の秋にやることを5つにしぼってお話しします。
先に、いちばん大事なことを伝えます。
高専の推薦入試は、
内申点の見られ方が高専ごとに違います。
ゴリしかも今年から条件を変えた高専もあります
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中3の9月はまだ間に合います
高専のことを調べ始めたのが夏や秋になってしまった。
そうなると「出遅れたかも」と感じますよね。
でも、9月はまだ間に合います。
多くの高専が募集要項をまだ出していないからです。
募集要項というのは、
「いつ・だれが・どうやって申し込むか」が書いてある公式の書類のこと。
たとえば茨城高専の場合はこう書いています👇
令和9年度募集要項に関しては、10月下旬ごろまでに公開予定です。
(出典:茨城工業高等専門学校「入試情報【本科】」)
東京高専にいたっては、
「学科のつくり直しを申請中なので、まだお知らせできません」という状態です。



つまり9月の時点では、まだ本番の情報を持っていない人が多いんですよね
ここから準備を始めても遅くありません。
ただ、のんびりしていい時期でもありません。
秋からの流れは、ざっくりこうなります👇
- 9月
志望校をしぼる。いまの条件を確認する - 10月下旬〜11月
来年の募集要項が出そろい始める - 12月
推薦の申し込みが始まる(早い高専は12月1日) - 1月上旬〜中旬
推薦の試験日 - 2月14日(日)
学力検査(全国同じ日)
推薦を考えているなら、
12月の申し込みまでに準備を終える必要があります。
9月から数えて3か月。
思ったより短いですよね。
結論|秋にやることは5つだけ
中3の秋にやることは、この5つです👇
- 志望校の募集要項が出ているか確認する
- 推薦の内申点の条件を確かめる
- 2学期の内申点を取りにいく
- 推薦で行くか、学力で行くか、決める
- 模試を受けて、いまの位置を知る
この中で、ほとんどのご家庭で抜けているのが2番です。
「内申点は高いほうがいい」
だいたい、そこで止まっています。
でも高専の場合、それだと足りません。
その理由を説明します。
国立高専の学力検査は全国一斉|差がつくのは推薦
学力検査は2027年2月14日(日)
来年の学力検査は
2027年2月14日(日)。
追試験は2月21日(日)です。
これは国立高専51校ぜんぶ同じ日です。
つまり、
国立高専を2校受けることはできません。
ただし地域によっては、
複数の高専に志望を出せる制度があります。
公立や私立の高専は日程が別のこともあります。
このあたりは志望校が決まってから確認すれば大丈夫です。
推薦の試験日は1月上旬〜中旬でバラバラ
いっぽう、推薦の日は高専ごとに違います。
いくつか例を出します👇
| 高専 | 推薦の試験日 | 申し込み開始 |
|---|---|---|
| 茨城高専 | 1月8日(金) | 12月1日 |
| 岐阜高専 | 1月16日(土) | 12月14日 |
| 沼津高専 | 1月16日(土) | 12月14日 |
| 富山高専 | 1月17日(日) | 12月7日 |
| 東京高専 | 1月17日(日) | 12月23日 |
同じ推薦でも、申し込み開始が
12月1日の高専と12月23日の高専があります。
3週間の差ですね。



「推薦の準備はいつまで?」という答えは、志望校によって違うということなんです
推薦入試そのものの中身は、こちらで詳しく書いています👇


推薦の内申点の条件は高専ごとに違う
高専の推薦には、内申点の条件があります。
その条件は高専ごとに本当にバラバラです。
実際に3校を例に見てみましょう。
茨城高専|中1の成績から見る
茨城高専の推薦は、
中1・中2・中3の3年分を見ます。
推薦選抜の出願資格は、中学校第1学年、第2学年及び第3学年の9教科の成績が、5段階評価の評定の合計で118以上とします。
(出典:茨城工業高等専門学校「入試情報【本科】」)
9教科 × 5段階 × 3年分なので、満点は135。
そのうち118以上ということは、
平均で4.4以上が必要になります。



これ、けっこう高い基準ですよね…
公立高校の入試では、
中3の成績しか見ないところもあります。
その感覚のまま高専を受けると、
「中1のとき、もっと頑張っておけば…」となりかねません。
中1の成績は、もう変えられません。
だからこそ、いま確認しておく意味があります。
もし足りなければ学力入試に切り替える。
その判断が、秋のうちにできますからね。
沼津高専|今年から「5教科すべて4以上」
沼津高専は、今年から条件が変わりました。
| これまで | 令和9年度から | |
|---|---|---|
| 推薦の内申点 | 9教科平均4以上 (数と理は4以上) | 9教科合計36以上 +5教科すべて4以上 |
「平均で4以上」と「5教科すべて4以上」。
似ているようで、まったく別物ですよね。
平均のときは、
英語が3でも他でカバーできたのに…。
新しい条件では、
主要5教科に1つでも3があると申し込めません。



苦手な教科が1つある子には、かなり大きい変更ですね
沼津高専|学力入試でも内申点が2倍に
沼津高専は、学力入試のほうも変えています。
| これまで | 令和9年度から | |
|---|---|---|
| 学力検査 | 600点 | 600点 (変わらず) |
| 内申点 | 160点 | 320点 |
テストの点は600点のまま。
内申点が160点から320点、2倍になりました。
割合で見ると約17%から約35%に増えました。
つまり、
当日の点数だけで逆転するのが難しくなったということです。
岐阜高専|部活や生徒会の枠がなくなった
岐阜高専の変更は、数字よりも大きいかもしれません。
| これまで (令和7・8年度) | 令和9年度から | |
|---|---|---|
| 推薦の 条件 | ①中2+中3(2学期)の9教科合計77以上 または ②合計73以上+次のどれか ・県大会以上で3位以内 ・生徒会の会長か副会長 ・ボランティアで国や自治体から表彰 | 中2+中3(2学期)の9教科合計75以上 |
ポイントは②が丸ごとなくなったことです。
これまでは、内申点の合計が73でも、
県大会で入賞していれば申し込めました。
生徒会長をやった子にも道がありました。
今年からは、その枠がありません。
内申点が75に届くかどうか、それだけになりました。



部活をがんばってきた子ほど、影響が大きい変更ですね…
逆に、実績はないけど内申点が75〜76ある子には、
77から75に下がったぶん有利になりました。
内申点が足りなくても道は閉じません
推薦がだめでも、学力入試があります。
そして高専に入ってしまえば、
推薦か、学力かは本当に関係ありません。
私が高専にいたときも、クラスには両方いました。
推薦の子のほうが優秀なように思えますが、
高専での成績順位は、きれいにバラバラでした。



高専の勉強は、中学の9教科とは別の世界なんですよね…
だから
「内申点が足りないから高専は無理」
と思う必要はありません。
秋にやるべきなのは、
推薦で行くか、学力で行くかを早めに決めること。
多くの高専では、
推薦で落ちても学力入試を受けられます。
推薦を出すときに学力検査も希望しておけば、
書類の出し直しも受験料の払い直しもいらない高専もあります。
入試全体の流れは、こちらを読むとつかめます👇


10月末~11月|募集要項が出たら必ず見直す
秋の予定に、ぜひ入れてほしいことがあります。
10月末~11月に、
志望校の募集要項をもう一度見る。
これだけです。
去年の情報のまま本番を迎える家庭が多い
検索して出てくる情報は、
去年のものであることが多いです。
「高専 推薦 内申」で出てきたページが、
去年の基準で書かれている。
それを見て「うちは大丈夫」と判断してしまう。
沼津高専のように基準が変わっていたらどうでしょう。
12月の申し込み直前に気づくことになります。
学科そのものが変わる高専もあります。
沼津高専は令和9年度から、
1つの学科を4つに分ける予定です。
東京高専も学科のつくり直しを申請中です。



つまり、志望していた学科の名前が、なくなっている可能性もあるということです
募集要項で見るのは、この4つだけ
募集要項が出たら、この4つを見てください👇
- 推薦の内申点の条件
何年生の成績を、何教科で、いくつ以上か - 学力入試の配点
数学と理科の傾斜、内申点の点数 - 学科の構成と定員
- 申し込みの期間
ネット申し込みと書類提出で期間が違う高専があります
全部読む必要はありません。
この4つで十分です。
いまの位置を知るなら、秋の模試が使えます
条件を確認したら、
次は今時点の実力把握です。
高専の入試問題は、
公立高校の入試とかなり違います。
マークシート方式で、
数学と理科の配点が高い高専が多い。
学校の実力テストや県の模試では、
高専入試での自分の位置はわかりません。
高専専用の模試なら、
高専を受けるライバルの中での位置が出ます。
秋は、ちょうどその申し込み時期です。




2学期の内申点は、9月からでも動かせます
中1と中2の成績は変えられません。
でも、2学期の内申点はまだ決まっていません。
ここは秋にやれることです。
中3の2学期の成績が、推薦の条件になっている高専もあります。
中学校等第2学年(学年)及び第3学年(2学期又は前期)の5段階の成績評定(9教科)の合計が75以上の者
(出典:岐阜工業高等専門学校「推薦要件の変更について」2026年9月12日確認)
中3の成績は、
2学期の分がそのまま条件に入ります。
3学期ではありません。



秋からの数か月が、推薦入試に申し込めるかどうかを分けるんです
実技4教科を捨てないでください
高専の推薦の条件を見ていて、気づいたことがあります。
茨城高専も沼津高専も岐阜高専も、
見ているのは9教科です。
5教科ではありません。
音楽、美術、保健体育、技術・家庭。
この4つが、そのまま合計に入ってきます。
ここを軽く見がちな生徒は多くいます。
「どうせ数学と理科で勝負するから」と。
でも推薦の条件は9教科の合計。
実技4教科に3だらけだと、推薦の条件に届かなくなります。
提出物を出す。授業で手を抜かない。
地味ですが、2学期にできるいちばん確実な上乗せです。
5教科なら、理科と社会が動きやすい
主要5教科のなかでは、
理科と社会が上げやすいと思います。
数学と英語は、前の内容がわかっていないと進めない科目です。
2学期だけで評価を動かすのは大変だと思います。
その点、理科と社会は範囲が区切られています。
定期テストの点がそのまま返ってきます。
沼津高専のように「5教科すべて4以上」という高専を狙うなら、
いま3がついている教科を4にする。
これが秋のいちばん現実的な目標になります。
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秋にやらなくていいこと
ここまで「やること」を書いてきました。
でも同じくらい大事なのが、やらなくていいことです。
親が焦ってやりがちなことを3つ挙げます👇
- 願書を取り寄せる
- 志望校を1校にしぼりこむ
- あわてて塾を探す
願書の取り寄せは、まだしなくていい
いま動いても届きません。
そもそも高専の出願は、今はネットが中心です。
茨城・沼津・岐阜・富山・東京、
どこもネットで登録してから書類を送る形でした。
募集要項もPDFで公開されます。
10月末から11月に公式サイトを見る。
それで足ります。
志望校を1校にしぼらなくていい
秋の時点で「絶対にこの高専」と決める必要はありません。
来年の募集要項はまだ出そろっていないからです。
学科が変わる高専もあります。
いま1校にしぼると、
11月に情報が出たときに動けなくなります。
秋は2〜3校を残しておく。
要項が出てから決める。
そのほうが、結果的にうまくいくと思います。


塾に入らないと受からない、ということはない
秋になると「そろそろ塾に入れないとまずいかも」と焦りますよね。
正直に言うと、塾なしで受かっている子はいます。
高専入試はマークシート方式で、
出題のクセがはっきりしています。
そのクセを自分でつかめる子なら、
市販の過去問と参考書で戦えます。
塾が向いているご家庭👇
- 高専入試を教えてくれる場所が近くにない
- 子どもだけでは、勉強のペースを保てない
- 志望校選びや推薦の判断を、相談できる相手がいない
逆に、自分で計画を立てて進められる子に高い塾を足しても、
そこまで変わらないと思います。


秋の勉強の進め方そのものは、こちらにまとめています👇


よくある質問
- 内申点が足りないと分かったら、推薦はあきらめるべきですか?
-
条件に届いていない場合は、そもそも申し込めません。ただ、多くの高専では推薦で落ちても学力入試を受けられます。秋のうちに「学力入試で行く」と決めて、2月14日に向けて勉強時間を配りなおすほうが前に進めます。
- 推薦に落ちたら、その高専は受けられなくなりますか?
-
いいえ。推薦で落ちても、同じ高専の学力検査を受けられます。ただし手続きのしかたは高専ごとに違うので、募集要項の「留意事項」を必ず読んでください。
- 高専と公立高校は両方受けられますか?
-
国立高専の学力検査は2月14日(日)で、多くの公立高校より早い日程です。そのため両方受けられるケースが多いですが、都道府県の制度によって扱いが違います。中学校の進路の先生に、早めに確認しておくのが確実です。
- 2学期の内申点は、いつ決まりますか?
-
だいたい12月です。推薦の申し込みが12月上旬から始まる高専もあるので、2学期の成績が出る前に準備が始まると考えておいてください。
- 内申点の条件は、どこで確認できますか?
-
志望校の公式サイトの「入試情報」ページです。募集要項のPDFか、「推薦要件の変更について」といったお知らせに書かれています。まとめサイトではなく、必ず公式で確認してください。今年のように変わっている場合があります。
まとめ|秋のチェックリスト
- 募集要項が出ているか確認する
多くは10月下旬〜11月 - 推薦の内申点の条件を、公式サイトで自分の目で見る
中1から見る高専もあります - 2学期の内申点を取りにいく
実技4教科を捨てない - 推薦で行くか、学力で行くかを決める
- 模試を受けて、いまの位置を知る
そして、いちばん伝えたいこと。
去年の情報のまま進めないでください。
今年は、推薦の条件や内申点の配点を変えた高専があります。
岐阜高専のように、部活や生徒会の枠がなくなった高専もあります。
学科そのものを変える高専もあります。
10月末から11月に、
志望校の公式サイトをもう一度開く。
それだけで、12月にあわてずにすみます。



情報が少ないぶん、調べた家庭が有利になる受験なんですよね
高専は、5年かけてじっくり専門を学べるいい学校です。
私自身、あのとき高専を選んでよかったと思っています。
秋のうちに、できることから始めてみてください。
判断に迷ったら、無料の勉強相談も使えます
募集要項を見ても、
推薦で行くべきか学力で行くべきか決められない。
これは、よくあると思います。
ナレッジスターは高専受験の専門塾で、
無料の勉強相談をやっています。
「いまの内申点で、この高専の推薦は現実的か」
そういう質問にも答えてもらえます。
保護者の方だけの参加もできます。
向かないかもしれない人👇
- 自分で計画を立てて進められる子
- 高専は併願で、第一志望は公立高校の人
- 相談したあと、断るのが苦手な人
高専の専門塾は、普通の塾より費用が高めです。
市販の教材と過去問だけで受かる子もいます。
「それでも高専に行きたい!」
そんな方におすすめします。
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