高専って名前はよく聞くけど何の学校?普通の高校と何が違うの?
そもそも高専って何?メリットやデメリットを教えて!
みなさんは「高専(こうせん)」という言葉を耳にしたことがありますか?
NHKのロボコン(ロボットコンテスト)やプロコン(プログラミングコンテスト)と言えば、「あ~」となる人もいますかね。
高専と言っても、大半の人が「何それ?」となるのが実態です。
これは今も昔も変わらずですね。。。
そこで今回は、「高専とは何か?」を多くの人に知ってもらうため、高専OBの私が詳しく解説していきます。
10年以上も前になりますが、私自身も高専出身で、機械工学科を専攻していました。
今は大企業の工場に勤めながら、こうして日々高専の魅力を発信しています。
「高専に行きたい!…でもどうやって勉強していいか分からない…」
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高専は「高等専門学校」の略で5年制の学校
高専(こうせん)は「高等専門学校」の略で、5年制の学校です。

ざっくり言うと、高校3年と短大2年が合体した学校ですね!
全国に国公私立合わせて58校あり、約6万人の学生がいます。
2023年4月に私立の「神山まるごと高専」が開校して、これまで57校だった高専が58校になりました。
埼玉、神奈川、滋賀、山梨、佐賀の5県を除いて、全国各所にあります。(2025年1月現在)
※2027年に「滋賀県立高等専門学校(仮称)」が開校する予定のようです。
国立高専(51校)
- 函館高専
- 苫小牧高専
- 釧路高専
- 旭川高専
- 八戸高専
- 一関高専
- 仙台高専
- 秋田高専
- 鶴岡高専
- 福島高専
- 茨城高専
- 小山高専
- 群馬高専
- 木更津高専
- 東京高専
- 長岡高専
- 長野高専
- 富山高専
- 石川高専
- 福井高専
- 岐阜高専
- 沼津高専
- 豊田高専
- 鳥羽商船高専
- 鈴鹿高専
- 舞鶴高専
- 明石高専
- 奈良高専
- 和歌山高専
- 米子高専
- 松江高専
- 津山高専
- 広島商船高専
- 呉高専
- 徳山高専
- 宇部高専
- 大島商船高専
- 阿南高専
- 香川高専
- 新居浜高専
- 弓削商船高専
- 高知高専
- 久留米高専
- 有明高専
- 北九州高専
- 佐世保高専
- 熊本高専
- 大分高専
- 都城高専
- 鹿児島高専
- 沖縄高専
公立高専(3校)
- 東京都産業技術高専
- 大阪公立大学工業高専
- 神戸市立工業高専
私立高専(4校)
- サレジオ高専
- 国際高専
- 近畿大学高専
- 神山まるごと高専
創設から60年以上の歴史がある
高専は、工業分野で即戦力となる技術者を育成するために、1962年(昭和37年)に創設され、60年以上の歴史があります。
私たちの生活や働き方は、時代が進むにつれて進化して大きく変わってきました。
今では、技術だけでなく「創造力や柔軟な思考を持った人材を育てる」ことを目指して、カリキュラムが組まれているようです。
ポケモンの生みの親「田尻智さん」やスマブラの生みの親「桜井政博さん」、人気Youtuberの「桐崎栄二さん」や「かっつー」など、高専に通っていた有名人も多数います。



高専出身というだけで親近感が湧くのが高専あるあるですね!
普通高校や工業高校との違いは?
まず教育の期間が違い、普通高校や工業高校の教育期間が3年間なのに対して、高専は5年間です。
また、普通高校や工業高校が「中等教育機関」に対し、高専は「高等教育機関」で大学と同等です。
高専では、生徒ではなく学生と呼ばれ、大学生と同等の扱いを受けます。



高専に入学したら、先生から「今日からあなたたちは生徒ではなく学生です」と散々言われるのは、高専あるあるですかね~。
大学との主な共通点を挙げると、授業が単位制なのと90分授業があることです。
普通の高校だと通常の授業時間は50分制だと思いますが、高専では1年生の頃から90分制の授業があります。
90分間の授業は慣れるまで大変で、集中力はもちろん、授業スピードについていく力も必要になります。
高専で学べる現場力
高専では、機械や電気、情報、化学、建築など、さまざまな専門分野を学べます。
どの分野も座学だけでなく、実験や実習をたくさんやって「本当の意味で現場で活躍できる技術者」を養成します。



つまり、頭で考えて口先だけ達者な人になるのではなく、実際に手を動かして幾度も挑戦できる技術者ということです。
社会に出ると口先だけの人ってたくさんいますからね…
高専を象徴する「ロボコン(ロボットコンテスト)」や「プロコン(プログラムコンテスト)」は、TVや新聞でも取り上げられます。
頭だけじゃなく、形にする技術力をしっかり見せてくれますね。
高専の中には、船舶の知識を学べる「商船高等専門学校」というのもあります。
あまり詳しくありませんが、こちらは5.5年制の学校で卒業式がなんと9月にあります。



私の職場に商船高専卒の後輩がいますが、半年遅れて入社していましたね。
ほかにも生物や環境といった興味をそそるような学科がたくさんあります。
高等専門学校の学科一覧(令和5年4月現在):文部科学省 (mext.go.jp)
8割以上が偏差値60以上
高専は国公私立で全国に58校ありますが、8割以上の高専が偏差値60以上を誇ります。
国立高専だけで見ると、偏差値60を超える高専は9割以上です。
ちなみに、2024年度で最も偏差値が高い高専は、偏差値67~69の明石高専でした。



明石高専、徳山高専、久留米高専などは、偏差値が高くて毎年上位争いをしていますね。
いずれにしても高専のほとんどが偏差値60以上なので、入学するのは簡単ではありません。


高専卒業後の進路は就職か進学
高専を卒業すると、進路は主に就職か進学のどちらかになります。
令和5年度の高専本科卒の進路状況を見てみると、就職する割合が57%、専攻科や大学編入で進学する割合が40%となっています。
出典:独立行政法人国立高等専門学校機構
就職 57% 進学(専攻科) 15% 進学(大学編入) 25% その他 3%
令和5年度本科卒業者進路状況



就職率100%をうたっているので、就職の割合が多いのかなと想像していましたが、進学を選ぶ人も多いですね。
「その他3%」というのが気になりますが、、、おそらく、、、いや起業したと考えましょう!(笑)
高専卒業後の学歴
高専5年間の在学期間を「本科」と呼び、本科を卒業すると「準学士」の称号が得られます。
「準学士」は、日本国内のみに通用する称号で、短大卒業生が得られる「短期大学士」と同じレベルになります。
高専では本科を卒業すると、さらに専門技術を2年間学べる「専攻科」というコースへ進む道もあります。
高専の科学の知識と技術を更に深めたい学生のため、より高度な技術者教育を行うことを目的として、2年間の専攻科が設置されています。
専攻科は5年間の高専教育の上にたって、さらに2年間のより高度な技術教育を行うことを目的として、1992年に初めて設置されました。
国立高等専門学校機構
専攻科を卒業すれば大学卒業と同じ「学士」の称号が得られ、大卒と同じ扱いになれます。
本科を卒業したら誰でも専攻科に進めるわけではなく、大学編入同様、試験に合格しない入れません。
ただ、専攻科の人気は学校によってさまざまで、当然倍率が低いと入りやすいです。
私の高専では不人気だったので、ほとんどの人が専攻科は滑り止めで受けていましたね。
専攻科卒業後は、もちろん就職もできますし、大学院入試を受けることもできます。



専攻科卒というのは会社では微妙な立ち位置なので、大学院に進む人が多いですね。専攻科卒を大卒扱いにしてくれない企業もあります。


高専から進学するパターン
高専からの進学には、専攻科もしくは大学3年次編入という方法があります。
大学編入は1年生からではなく、3年生からとなります(一部単位の関係で2年次編入になることも)
専攻科進学も大学編入も比較的カンタンと言われています。



実際には進学するには猛勉強が必要ですが。。。
専攻科は推薦がもらえると面接だけで進学できますし、筆記試験も普段の授業をしっかり理解していれば受かります。
大学編入に関しては推薦もありますが、成績上位数%しか受けれないのでほとんどの人が学力試験を受けます。
普通の高校生が受ける共通テストとは違って、編入試験では試験の科目数が絞られています。
数学と物理、英語、専門科目というように多くても4~5教科程度です。
中には学力試験でも面接がある大学もありますね。
専攻科にしても大学編入にしても進学率は100%近くあり、ほとんどの学生が進路に困りません。
東京大学や京都大学といった超難関大学へ編入する人も毎年のようにいます。


高専から就職するパターン
高専の就職率はほぼ100%と言われるほどで、毎年、就職する人の割合は5~6割程度います。
「現場で即戦力となる技術者」を育てているので、高専生を欲しがる企業はたくさんいます。
実際に就活の時期になると、求人倍率は20倍以上にもなり、その中には大企業もたくさんあります。



私も含め就職組のほとんどが、一度は耳にしたことがあるような大企業へ就職していきました。


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2022年度の高専合格率はなんと92%、2024年度は114名の高専合格者を輩出しています。
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高専のメリット・デメリット


高専には、メリットもあればデメリットもあるので紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
メリット | デメリット |
---|---|
大企業へ就職しやすい 難関大学へ進学しやすい 学費が安い 校則がゆるくて自由 大学受験がない | 留年率が高い 大卒よりも年収が低い 女子学生が少ない |
メリット①大企業へ就職しやすい
高専生のほとんどが、大学生の一般応募とは違って、学校側が推薦状を出す学校推薦という方法で企業へ応募します。
そのため一般応募の人とは違って有利です。
実際に大企業でさえも、採用試験の内容は「面接1回だけ」といったカンタンな場合がほとんどです。
私も成績はいい方ではありませんでしたが、人気の大企業へ就職できました。
メリット②難関大学へ編入できる
大学へ編入する場合も当然試験はありますが、普通の高校生たちが受けるセンター試験とは異なります。
学力試験と推薦試験がありますが、センター試験に比べるとカンタンです。
学力試験は数学と物理、英語といったように試験科目が絞られていたり、推薦試験は面接だけであったり。
編入試験の日程が重ならなければ、複数の大学の編入試験を受けることもできるんです。(センター試験ではそうはいきません)
実際に毎年多くの高専生が有名な国立大学へ編入しているのも、これらの理由からです。


メリット③学費が安い
普通の公立高校3年間と高専5年間を比べると、高専の学費のほうが高くなります。
しかし、大学を卒業して「学士」の称号を得るところまで考えると、高専に行くほうが圧倒的に安くなります。
とくに、高専本科を卒業して専攻科へ進むと、公立高校から国立大学へ進むよりも100万円近く学費が安くなります。
学費を安く抑えて学士の称号が得られるのでコスパがいいと言われます。


メリット④校則がゆるくて自由
高専では、髪を染めたりピアスをしたり、私服で通ったりバイトしたり、校則がゆるくて自由な学校がほとんどです。
授業中も、寝たりゲームしたりしても、ほかの学生の邪魔にならない限り注意する教員はほとんどいません。



定期テストで地獄を見ますが…
私も2年生の頃からアルバイトをしたり、私服で通ったりしていました。授業中にゲームすることも…(笑)
3年生(18歳)になると運転免許も取れるので、車で学校へ行くこともありました。
メリット⑤大学受験がない
高専生は普通の高校生のように大学受験がありません。
センター試験に向けて受験勉強する必要もないし、3年生になっても進路で焦ることもありません。
そのため自由に時間を使うことができます。
夏休みや春休みも普通の高校生に比べると長い期間あるので、合宿免許やアルバイト、旅行などゆっくり楽しめます。
デメリット①留年率が高い
定期テストでは、普通の高校であれば赤点ラインを30点にしているところがほとんどだと思いますが、高専では赤点ラインを60点としています。
定期テストで赤点だと、追試をして救済措置を出す教員もいますが、それでもダメだと単位を落としてしまいます。
そして、一定数単位を落としてしまうと平気で留年確定となります。



私の高専でも、5年間で3人の学生が留年し、2人の学生が上から落ちてきました…
平成27年の文部科学省の調査によれば、単位不足で留年する高専生の割合は3.7%で普通高校の10倍となっています。
資料3_高等専門学校における教育改善状況等に関する調査結果について(設問AからE)(概要)


デメリット②大卒よりも年収が低い
高専卒は高卒と大卒の中間の立場なので、大卒よりも年収が低くなることがほとんどです。
高専で大卒並みの勉強をしてきたのに…、仕事内容は大卒と同じなのに…、私のほうが仕事できるのに…。
年功序列で学歴社会の日本では、最初のうちは大卒に勝てないことがほとんどです。
一方で、ある程度経験を積んで会社に評価され昇格していけば、役職について年収でも大卒に勝つこともできます。


デメリット③女子学生が少ない
国立高専本科の男女比は約8対2となっています。(男子が8割)


女子と会話したり、イチャイチャしたりといった、思春期男子が思い描く青春は無いです。
ただし、女子の比率は学科によって大きく変わります。
機械や電気、情報系の学科は壊滅状態ですが、建築や生物系は女子が多く、クラスの半数が女子という学科もあります。
ちなみに、私のいた機械工学科は、クラス40人の中で女子は1人だけでした。
青春したいという人は、女子の多い部活動に入るか、アルバイトでもはじめましょう!
まとめ|これであなたも高専トークに参加できる


この記事では、高専とは?をなるべくわかりやすく解説してきました。
これであなたも高専トークに参加できます!
高専時代は膨大な量のレポートや定期テストのたびに徹夜したり、いろんな苦労はありましたが卒業してしまえばいい思い出です。
今こうして、大企業でのびのび働けているのは高専を選択したおかげです。
進路選びの正解・不正解なんて人によると思いますが、高専に興味ある人はぜひ検討してみてください。
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2022年度の高専合格率はなんと92%、2024年度は114名の高専合格者を輩出しています。
なかでもナレッジスターが開催する「高専模試」は、入試本番の予行演習ができるので、高専受験生なら必ず受けるべき!
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