高専卒業したら就職じゃなくて大学へ進学したい!
みんなどんな大学へ編入してるの?東大もいける?
大学の編入試験って難しいの?普通高校卒が受ける共通テストと違うの?
「卒業後は就職」のイメージが強い高専ですが、大学へ編入する人も毎年3割ほどいます。
中には高専3年生で普通の高校生と同じように共通テストを受けて大学へ行く人もいます。(この方法で編入する人はほとんどいませんが…)
「高専から大学へ行くのは難しいのでは…」と不安に思っている方は、どうぞ安心してください。
高専は就職率100%で有名な学校ですが、実は大学編入率も100%近い学校でもあるのです。
私も「早く働きたい」という思いで高専に入りましたが、「大学でもう少し学び(遊び)たいな」と心が揺らいだ時期も…(笑)
そこで今回は「高専生はどんな大学へ編入しているのか」を解説していきます。
将来は大学進学まで考えている中学生や親御さん、就職か進学か迷っている高専生はぜひ参考にしてみてください。
高専卒業後の大学編入の割合は25%
出典:独立行政法人国立高等専門学校機構
就職 56% 進学(専攻科) 16% 進学(大学編入) 25% その他 4% 令和4年度本科卒業者進路状況
高専卒業後の進路は、就職、専攻科進学、大学編入、その他の4つに分かれます。
独立行政法人国立高等専門学校機構の調べによると、令和4年度の高専本科卒の大学編入の割合は25%です。
4人に1人が大学編入を選択しています。
ちなみに大学編入後は単位数の関係で大学3年生ではなく大学2年生になることもあります。
【人数順】高専から主な大学編入先一覧
全国の高専から毎年数多くの学生が、さまざまな大学へ編入しています。
令和4年度の主な大学への編入学状況を見てみましょう。
大学名 | 人数 |
---|---|
豊橋技術科学大学 | 344 |
長岡技術科学大学 | 282 |
筑波大学 | 67 |
九州大学 | 63 |
熊本大学 | 55 |
千葉大学 | 54 |
東京農工大学 | 53 |
九州工業大学 | 53 |
岡山大学 | 49 |
新潟大学 | 44 |
金沢大学 | 43 |
大阪大学 | 42 |
信州大学 | 41 |
東北大学 | 35 |
広島大学 | 35 |
福井大学 | 33 |
神戸大学 | 32 |
東京工業大学 | 30 |
名古屋大学 | 28 |
北海道大学 | 27 |
京都工芸繊維大学 | 27 |
宇都宮大学 | 25 |
岐阜大学 | 25 |
三重大学 | 24 |
徳島大学 | 24 |
茨城大学 | 23 |
電気通信大学 | 23 |
山梨大学 | 23 |
千葉工業大学 | 22 |
立命館大学 | 21 |
群馬大学 | 20 |
佐賀大学 | 20 |
東京都立大学 | 20 |
東京大学 | 19 |
室蘭工業大学 | 18 |
横浜国立大学 | 17 |
愛媛大学 | 17 |
秋田大学 | 16 |
山口大学 | 16 |
鹿児島大学 | 16 |
東京都市大学 | 16 |
山形大学 | 15 |
島根大学 | 15 |
香川大学 | 14 |
岩手大学 | 13 |
富山大学 | 13 |
琉球大学 | 13 |
日本大学 | 13 |
北見工業大学 | 12 |
宮崎大学 | 11 |
(令和5年5月1日現在)
豊橋技術科学大学は344名、長岡技術科学大学は282名の高専生が編入しており他と比べて群を抜いていますね。
「高専生のための大学」と言っても過言ではないですね。
他にも東京大学や京都大学など、有名大学にも多くの高専生が編入できていることがわかります。
私のクラスでも東工大に編入した人が1人いて、「天才」と呼ばれていました。
【難易度別】高専の大学編入ランキング
高専の大学編入ランキングをEランクからSランクの6つのランクにわけて紹介します。
参考にしたのは、飛高専塾の公式Youtubeチャンネル「飛こうせん~高専受験対策塾~」です。
編入試験は各大学で異なりランキング付けそのものが難しいので参考程度にしてください。
難易度 | 大学名 |
---|---|
Sランク | 東京大学 京都大学 東京工業大学 |
Aランク | 東北大学 名古屋大学 大阪大学 |
Bランク | 北海道大学 九州大学 |
Cランク | 神戸大学 筑波大学 横浜国立大学 千葉大学 |
Dランク | 東京都立大学 東京農工大学 電気通信大学 大阪公立大学 広島大学 金沢大学 岡山大学 名古屋大学 京都工芸繊維大学 |
Eランク | 長岡技術科学大学 豊橋技術科学大学 熊本大学 埼玉大学 新潟大学 静岡大学 |
東京大学や京都大学は言わずもかなと思います。
Eランクに該当するといっても難易度の話なので、大学の良し悪しではありません。
長岡技術科学大学も豊橋技術科学大学も、高専出身者多数なので楽しいだろうなと思います。
大学編入の方法には学力入試と推薦入試がある
高専卒業後に大学編入するには、主に学力入試(一般入試)と推薦入試の2つの方法があります。
高専から大学編入するメリットは併願受験ができることです。
編入試験は高校生が大学受験で受ける共通テストとは違って、各大学で試験日がバラバラなので重ならなければ何校でも受けれます。
何校か受けたい場合は、各大学の募集要項から試験日をチェックしておきましょう。
学力入試
学力入試では数学や物理、英語といった一般科目に加えて専門科目を出題されます。
大学によっては学力入試で面接を行うこともあります。
普通の大学入試の共通テストに比べたら試験科目数は圧倒的に少ないですね。
それゆえ編入試験はカンタンと言われることもありますが、出題範囲が広く難易度も高いのでそう甘くはありません。
また英語ではTOEICやTOEFLのスコアも見る大学もあります。
編入試験は共通テストに比べて対策している予備校が少ないです。
試験対策が難しいので教員から過去問をもらって問題傾向をつかんだり、OBやOGに試験内容をヒヤリングするのがベターです。
推薦入試
推薦入試では、調査書や推薦書といった書類や面接を行って評価されます。
書類選考のみの大学もありますし、面接では基礎学力を問う適正検査を行う大学もあります。
忘れてはいけないのが推薦入試を受けられるのは高専の成績上位層だけです。
高専側が人物・学力ともに優秀と認めて推薦してくれないと受けることはできないのです。
また1年生から成績を評価する大学もあるので、直近だけ頑張ればいいわけではありません。
推薦入試で大学編入を考えているなら、入学当初から頑張って成績上位をキープしなければなりませんね。
「定期テストは60点以上取れればOK!」と考えている私とは違います…(笑)
まとめ|高専から難関大学にも編入できる!
今回は「高専生はどんな大学へ編入しているのか」「編入試験どんな試験内容なのか」を解説してきました。
高専本科卒の4人に1人が大学編入しており、就職率と同じく100%近い割合となっています。
その中には東京大学や京都大学といった難関大学へ行ける人も。
「有名大学へ行きたい!」いう方は、高専から大学編入の道もありかもしれませんね。(当然努力は必要ですけどね)