高専はなんか自分には合わない…もうやめたい…
高専を中退するとどうなってしまうのだろう…
高専って5年制だけど4年生や5年生で中退するとどうなるの?高校卒業扱いにはなる?
高専って特殊な学校なので合う合わないはありますよね。
実際に私が高専生だったころも高専が合わなくてやめていく人もいました。
では彼らはどんな学歴になってどんな進路を歩むのでしょうか?
この記事では高専を中退した人にはどんな進路があるのか、高専卒の私がわかりやすく紹介していきます。
「高専やめたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
高専退学率は2.6%
古いデータですが平成27年の文部科学省の調査によると、本科・専攻科合わせてすべての高専生の退学率は約2.6%となっています。(学生数55,865人、退学者1,442人)
資料3_高等専門学校における教育改善状況等に関する調査結果について(設問AからE)(概要)
ちなみに留年率は約3.7%で、そのうち単位不足で留年する人の割合は約3%となっています。
退学率も留年率も学校や学科によって差がありそうですけどね。
北海道から沖縄までさまざまな高専出身者と話しをしていますが、クラスで2~3人くらいは留年したり退学したりするイメージです。
高専を中退する3つの理由
高専を中退する人はどんな理由で辞めていくのでしょうか?
ここでは主に言われている3つの理由を紹介します。
- 専門分野に興味がなかった
- 授業についていけなかった
- テスト勉強とレポート課題で心が折れた
専門分野に興味がなかった
高専に入ると基本的には1年生の頃から専門科目を学びます。
低学年でも基礎学習とはいえ専門科目の授業を受けるので興味がないと非常にとっつきにくいです。
また工学系なので空調のない工場で汗水たらして、汚れたり臭くなったりしながら実習や実験を行います。
機械やモノづくりに興味があって好きな人じゃないと、きつくて耐えられないと思います。
そして学年が上がるにつれて専門科目の授業が大半を占めるので興味ない人は詰みます。
興味のないことに5年間捧げるくらいなら、さっさと中退して別の道に進みたいという人が出てくるんでしょうね。
授業についていけなかった
高専を中退する人で多いのは「勉強についていけない」という人ではないでしょうか。
高専はハイレベルかつハイスピードで授業が進み、赤点ラインも60点なので一生懸命勉強しても赤点になってしまうこともあります。
実際に高専は、留年率が普通の高校よりも10倍近いというデータもあるほどです。
中学時代は勉強ができてクラスで上位だったという人でも、高専で挫折する人はたくさんいます。
授業や勉強についていけなくなると「もうやめたい」という気持ちになるのは痛いほどよくわかります。。。
テスト勉強とレポート課題で心が折れた
高専の定期テストは年に4回あります。
基本的には定期テストで赤点以上取らないと単位を落として留年してしまうのでみんな必死に勉強します。
しかし高専の定期テストの科目数は3年生頃になると15科目以上になることも…
さらに高専では実習や実験が毎週のように行われ、その都度レポート(報告書)を提出しなければなりません。
このレポート課題はテスト期間でも容赦なく降りかかってくるので、テスト期間中は徹夜で勉強する人が大半。
この嵐のようにやってくるテスト期間に心が折れてしまう人が多いのです。
気持ちはすごくわかりますけどね…
心が折れてしまった人は、留年してもう一度やり直すか中退して別の道に歩んでいきます。
高専中退後の扱いは「高卒」or「中卒」
高専中退後の学歴は、3年までの単位を取得しているかどうかで変わってきます。
それによって「高卒」もしくは「中卒」になるのだろうと思われるかもしれませんが、結論はどちらでもありません。
ではそこんところを詳しく解説します。
3年までの単位を取得している場合
高専3年生を修了している場合、「高等専門学校3年次修了(以降、3年次修了)」という扱いになります。
これは「高校卒業(高卒)」という扱いではありません。
「高校卒業程度の扱いを受けられる」というもので、学校で証書も発行できます。(卒業証書ではありません)
3年次修了の場合、センター試験を受けて大学へ進学できたり公務員試験を受けたりもできます。
センター試験不合格で大学へ行けなかった場合でも、単位が取れていれば高専4年生に進級することはできます。
一方で就職やバイトなどの求人で「高卒以上」と書かれたものは、応募できるか問い合わせて確認の必要があります。
ただでさえ知名度の低い高専の3年次修了という扱いは相当特殊な経歴なので理解してもらえるかどうか…
3年生を修了していない場合
高専3年生を修了していない場合は中卒扱いです。
3年までの単位をとれていないので大学受験の資格もありません。
高校卒業程度の扱いを受けるなら、定時制や通信制の高校で「高卒認定」を取らなければなりません。
高卒認定試験は満16歳以上から受験できて合格すれば大学受験の資格をもらえます。
ただし大学に入学できるのは18歳から。
また高卒認定試験に合格しても学歴上は中卒扱いなのは変わらないので、履歴書は「高専中退」となってしまいます。
高専を中退するメリットとデメリット
高専を中退するメリットとデメリットについて解説します。
高専を中退するメリット
高専を中退するメリットは、自分の好きな道に進めることです。
「高専は自分には合わない!」と思いながら5年間ずっと暮らすのは苦痛しかありません。
そんな気持ちで高専生活を送るよりは、早く見切りをつけて次の道に進む方が後悔しなくていいかもしれません。
一方で、ただ合わないから後先考えず辞めるというのはオススメできません。
辞めた後に何をするのか、将来どうなりたいのか、などしっかりと考えたうえで辞める決断をするべきです。
高専を中退するデメリット
高専を中退するデメリットは、就職や大学進学に苦しむ可能性があることです。
「大企業へ就職できる」「難関大学へ編入できる」というのが高専の魅力でもありますが、中退するとこれらのメリットを失います。
就職はもちろん大学へ進学するのも一苦労です。
高専では在学中でも休学という選択で時間を作ることはできます。
勢いで中退する前に一度休学して時間を作って、将来について考えてみるというのもありかもしれません。
その時間で勉強したり、起業したり、いろいろ挑戦できそうですね
高専中退した人の末路
高専を中退した場合の進路について、わかりやすく表にします。
進路 | 3年次修了している | 3年次修了していない |
---|---|---|
大学・専門学校進学 | ||
就職 | ※「高卒以上」の求人は不可 | |
公務員試験 | ※高卒対象のみ | |
普通高校転入 | 必要なし | |
通信制高校転入 | 必要なし | |
フリーター・起業 |
高専中退した人の中には、起業して有名人になった人もいます。
人気Youtuberのかっつーさんや紗倉まなさんは、高専中退した人として有名ですね。
ちなみに、かっつーさんは仙台高専の専攻科中退、紗倉まなさんは木更津高専の4年生中退のようです。
高専中退しても、人生終わりではなく、転校や進学、就職や起業もできいろんな人生が歩めます。
まとめ|勢いだけで高専中退はしないで!
高専を中退した人にはどんな進路があるのか、解説してきました。
ほかの高校や大学へ行ったり、就職したり、起業したりさまざまです。
「自分には高専が合わない」と感じたらそういう選択もありかもしれませんね。
私は安定をずっと求めてきたので、なかなか中退ということは考えられませんでしたが…
今思えば、高専を休学して起業について調べてみるのもよかったかなぁとも思います。
まあ人それぞれいろんな人生がありますね!